NSCore、車載半導体市場に向けた生産性に優れた高信頼性不揮発メモリ技術を発表
福岡に本社を置く不揮発メモリIPベンダー、株式会社NSCore(以下、NSCore)は、0.18um世代のプロセス技術を用いた車載ICチップ用のMTP(書き換え可能な)不揮発メモリIPの開発を完了し、AEC-Q100 Grade-1規格(使用温度範囲:-40℃~125℃)準拠の長期信頼性試験に合格したと発表した。この技術は、従来のFLASHメモリ技術の様な複雑な製造工程を必要としないため、フォト・リソグラフィーなどの製造工程数を30%程度削減することができる。これは、同じ設備の工場で出荷できる数量を最大で30%程度増やせる可能性があることを意味しており、ファンドリーなど製造側にとっては出荷量を大幅に増やすことが可能となる。
近年の半導体不足は、自動車産業はじめ産業界に大きな打撃となっている。NSCoreの不揮発メモリ技術によって、部品の安定供給と部品単価の低減の両方が可能となるため、産業界全体にとっての貢献も大きいと言える。
今回開発に成功したIPは、大手ファウンドリーの0.18um Mixed-Signal 1.8V+5Vプロセス、および0.18um BCD(Bipolar-CMOS-DMOS)プロセスという2系統の製造プロセスを使った製品に、一切プロセスを追加することなく適用が可能であり、いずれも車載や産業用途向けに広く使われているプロセス技術である。千回以上の書き換えが可能なため、頻繁にアップデートが必要となるプログラム格納用途としても使い勝手の良いものとなっている。今回は、最大32キロバイト容量のメモリIPにて信頼性試験を完了しているが、今後は更に製品ラインナップを拡張する予定である。
センサー、モーターと
制御ICを使ったシステムの例
NSCoreについて:
2004年に設立されたNSCoreは、不揮発メモリ技術に特化したIPプロバイダーです。
NSCoreは、標準CMOSプロセスに適用可能な不揮発メモリ技術を開発しており、ファウンドリーを選ばずに適用可能でありながら、高い信頼性と歩留まりを達成しております。